防犯カメラのコラム(店長日記)
工事不要の屋外用防犯カメラとは? 注意点や選び方も解説
防犯カメラを取り付けるには、設置工事が必要と思っている方が多いでしょう。しかし工事の必要がなく、ご自身で手軽に取り付けられる機種も増えています。
そこで今回のコラムでは、設置工事をする必要がない屋外用防犯カメラについて取り上げます。仕組みや特徴はもちろん、選び方や注意点についても解説していきます。
工事不要の屋外用防犯カメラとは
防犯カメラを動かすには、電源と映像データを伝送するための配線が必要になります。そのため防犯カメラを固定するのに加えて、電源確保と配線するための工事をする必要があるのです。
しかし、こうした工事を行わなくても、稼働する防犯カメラが市販されるようになっています。具体的な仕組みは「自前で稼働する」ことと、「データの伝送を無線で行う」ことです。この2つが備わっていると、大規模な工事は必要ありません。それぞれについて見てみましょう。
自前で稼働する仕組みとは
電気によって稼働するのに、電源から電気の供給を受けずに稼働しているものがあります。例えば、電卓などです。一般的に電卓は、電池やソーラー光などが電源になっています。それと同様に、電源から電気の供給を受けないでも稼働する防犯カメラがあります。「バッテリー」「電池」「太陽光」によって、電源を確保しているからです。
バッテリー式は、充電したバッテリーを使うことで電源を確保することができます。一方の電池式は電池によって動作するタイプです。また太陽光式は、防犯カメラ本体にソーラーパネルが付いているため、24時間の稼働が可能になっています。
メリットとデメリット
電源を内蔵しているため、どこにでも設置できるのがメリットの一つです。コードなどの配線工事が必要ないため、コストも削減できます。
一方、デメリットは、バッテリー式や電池式の場合、定期的に交換したり、充電する必要があります。知らずにバッテリーや電池が切れていて、映像が記録されていないことも考えられます。
無線伝送できる仕組みとは
通常の防犯カメラは、映像データを伝送するためにケーブルの配線工事が必要です。しかしインターネットなどの無線通信を用いて映像データを伝送することができる機種があります。そのため配線工事が不要なのです。
ただし家庭にWi-Fi設備があることが必須になります。また映像データを受信するために、スマートフォンやパソコン、タブレットなどの端末も必要です。
Wi-Fi環境がない場合は、APモードを搭載している防犯カメラを活用することもおすすめです。APとはアクセスポイントのことで、APモードの電波が届く範囲内であればスマホで視聴と操作ができる仕組みになっています。
メリットとデメリット
映像データはスマートフォンやパソコン、タブレットで受信できるため、新たに機器を購入する必要はありません。しかも家から離れた場所でも、防犯カメラの映像を確認することができます。
一方、デメリットは家庭にWi-Fi機器がない場合は新たに購入する必要があることです。防犯カメラの設置場所とWi-Fi機器との距離が離れている場合は、データの伝送がうまくいかないこともあり、その場合はさらに中継機を購入することになります。
またWi-Fi機器の不具合によって、データ伝送ができなくなる可能性もあります。単なる電波障害であれば問題を解消すれば普段通りに使えますが、意図的に侵入されてしまうこともあります。その場合、Wi-Fi機器を勝手に使われるだけではなく、個人情報が流出する危険もあります。
屋外用防犯カメラの選び方
工事のいらない屋外用防犯カメラについて特徴を把握したところで、どのような防犯カメラを選ぶといいのかポイントを紹介していきます。
電源の確認
大規模な工事がいらない屋外用防犯カメラを選ぶ際に、まず確認したいのは電源です。前述したように、代表的なのはバッテリー式、電池式、太陽光式の3つです。それぞれのタイプについて、選ぶ際のポイントを紹介します。
- バッテリー式…定期的な充電が必要になるので、バッテリーの容量を確認しましょう。充電の頻度はどれくらいになるか、把握することも大切です。バッテリーの容量が大きい方が、充電の頻度は少なくなります。
- 電池式…乾電池の種類を確認することに加えて、充電式の電池を使えるかどうかも確認しておきましょう。充電式の電池が使えるのであれば、長い目で見るとコストを削減できます。
- 太陽光式…太陽光によって発電するため、バッテリーを充電したり、電池の入れ替えなどの必要がありません。ただし太陽が当たる場所に設置できるか、太陽光で発電できない場合に他の電源を確保できるか、確認する必要があります。
人感センサーの有無
電源がバッテリーや電池、太陽光であれば、電力消費が少ない方が長い時間稼働することができます。そのため常時稼働するタイプよりも、人感センサーや動体センサーによって動きを感知したときに稼働するタイプがおすすめです。
また人感センサーによってどのように稼働するのかも大切です。自動的に録画が開始されることになりますが、録画時間を選べるかなども確認してください。
Wi-Fi機器との接続方法
Wi-Fi機器と接続する場合、撮影した映像はスマートフォンやパソコン、タブレットなどの端末で視聴することになります。このときに確認したいのが専用アプリの使い勝手です。防犯カメラが稼働した時点で端末にどのように表示されるのか、アプリからはどのような操作ができるのか、なども確認しましょう。また、ご自身が所有している端末が対応機器になっているのかも重要な確認事項です。
固定方法の確認
屋外に設置することを前提とすると、防犯カメラを固定する際の方式も要確認です。工事がいらないタイプでは、ビスで固定するほか、粘着式のスタンドや両面テープ、マグネットなどで固定することになります。
ビスで固定する場合は、取り付ける場所にビスが打ち込めるか、ビス以外の場合はその方法で適切に固定できるのか確認してから購入しましょう。
防水・防塵性能を確認
屋外に設置するため、防水性能と防塵性能について確認しましょう。防塵性能が弱いと汚れやすく、防水性能が低いと雨などによって防犯カメラは故障してしまいます。
防水・防塵性能はパッケージや概要欄に記入されています。表記の方法は「IP◯△」といったように、数値が記入されています。「◯」が防塵性能で0〜6の7等級、「△」が防水性能で0〜8の9等級で表示されています。数字が高い方が性能は高いので、できるだけ大きい値のものを選ぶようにしましょう。
夜間撮影機能の確認
夜間の防犯対策を強化したい場合は、夜間撮影機能を確認しましょう。夜間撮影機能には複数の種類があり、機能によって撮影できる映像が異なるためです。主な夜間撮影機能の種類は「赤外線暗視カメラ」「高感度暗視カメラ」「LEDライトカメラ」です。
- 赤外線暗視カメラ…真っ暗な状態でも移すことができますが、基本的に夜間はモノクロ映像になります。
- 高感度暗視カメラ…わずかな光を利用して撮影することができます。夜間でもカラー映像で撮影するのが特徴です。
- LEDライトカメラ…人感センサーが反応してLEDライトを照射して撮影します。そのためカラーで撮影ができますが、光が当たっていない箇所は見えづらい可能性があります。
このようにそれぞれによって特徴があります。これらを把握して、必要な機能を選ぶようにしましょう。
撮影画質の確認
防犯カメラの映像は画質によって見えやすさが異なります。画質は画素数で表示されており、家庭用の防犯カメラであれば100万画素〜400万画素のものが大半を占めます。
値が大きいものほど画質は良くなっていきますが、家庭用であれば200万画素〜400万画素程度が最適です。100万画素程度であれば画質が悪く、詳細まで確認することはできないくらいです。一方、400万画素以上の場合は細部までの撮影が可能ですが、設置コストが高くなります。ただし遠くまで綺麗に撮影したいのであれば、400万画素以上の防犯カメラを設置するのもおすすめです。
録音機能の有無
集音マイクを搭載している防犯カメラでは、設置場所の周囲の音声を記録することができます。例えば、不審者が侵入した際に、映像だけでは証拠にならないケースもあります。しかし音声も録音されていると、証拠能力としての効力が上がるのです。
また防犯カメラの死角やフレーム外で異変があった場合、映像がなければどのような状況か分かりません。しかし音声が録音されていれば、事件解決の手がかりになることもあります。そのため防犯対策をより強化したい場合は、録音機能が搭載されている機種を選ぶことがおすすめです。
工事不要の屋外用防犯カメラの注意点
大規模な工事がいらない屋外用防犯カメラはメリットも豊富ですが、注意すべきポイントもあります。2つ紹介します。
Wi-Fi機器によるデータ伝送は危険も潜んでいる
デメリットの項目でも紹介しましたが、Wi-Fi機器は悪用されることもあります。特に家の外まで電波が届く強度が強いWi-Fiの場合は、危険にさらされることも多くなります。
パスワードを割り出されて知らない間にインターネット回線を利用されることがありますが、さらに危険なのは個人情報が流出する可能性があることです。防犯対策のために導入した防犯カメラによって、セキュリティが甘くなってしまうのは本末転倒です。慎重に検討し、対策も考えておきましょう。
購入後にトラブルが発生することも
防犯カメラを専門業者に依頼する場合、性能や設置場所などを業者が確認して最適な機種を提案してくれます。それに対して、工事が不要なタイプはインターネットなどで購入できるため、記載された性能などを頼りに購入してしまいます。
そのため実際に取り付けてみると、Wi-Fiの電波が届かない、映像が暗い、きちんと固定できないといったトラブルが起きてしまいます。そのため保証や交換など購入店舗によるアフターサービスなども検討して、購入の判断をするようにしましょう。
まとめ
防犯カメラは設置工事が必要になるのが一般的ですが、最近は手軽に取り付けることができるモデルが市販されるようになっています。ポイントは自前の電力で稼働できることと、無線通信によってデータ伝送が行えることです。
今回のコラムでは、大規模な設置工事がいらない防犯カメラの仕組みや、選ぶ際のポイントなどを紹介しました。どこに、どのように取り付けるのか、自分で取り付けることができるのか、などを適切に判断してから購入するようにしましょう。
- 2022.08.22
- 10:09
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