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AI搭載カメラとは?防犯にも最適!AIカメラの活用シーン解説

防犯カメラは録画ができればいいと思っている方が多いかもしれませんが、さまざまな技術が開発され、多彩な機能が搭載されるようになっています。近年、その最先端を走っているのがAI(人工知能)を活用した技術です。
そこで今回のコラムでは、AIを搭載した防犯カメラにスポットを当てます。AIを活用することでどのような機能が利用できるのか紹介し、AI搭載カメラの活用シーンについても解説していきます。
AI(人工知能)とは
AI(人工知能)とはArtificial Intelligenceのことで、人間が行う知的活動をコンピュータ(ソフトウェア)によって人工的に再現することです。知的活動とは、脳で考えて実行する活動のことで、広義ではあらゆる人間の行動を指します。つまり、経験から学ぶことでさまざまなことに順応する人間のように、柔軟に行動していくことがAIの特徴かつメリットなのです。
その方法が大量のデータからパターンを覚えていくことです。これによってコンピュータが人間の脳と同じような働きをするようになるだけではなく、人間では難しいと思われる事態にも対応していくことができるようになります。
このようなAI技術は、ビジネスや生活などのあらゆるシーンで活用されています。もちろん、防犯カメラでも、AI技術によって多彩な機能が搭載されるようになってきています。
例えば、リアルタイムで監視を行い、事前に登録された異常パターンと一致した場合に、管理者や従業員にアラームを送ったり、AIによる機械学習により画面に映った人物や状況を解析するといったことが可能になっています。
こうしたAIを活用した防犯カメラにはどのような機能があるのか、次の項目で具体的に見ていきましょう。
防犯カメラに搭載されたAIによる多彩な機能
防犯カメラにAIを搭載することによってどのような機能が得られるのか、6つの機能について解説していきます。
顔認証機能
顔認証機能とは生体認証の一つで、人の顔を認証して本人かどうかの確認を行う技術のことです。通常はカメラが撮影した顔を目と鼻、口の3点を基本にしてコンピューターが確認するもので、出入国管理などの国家レベルでのセキュリティはもちろん、企業での入場管理、端末ログオン、決済などさまざまな用途で用いられています。
この顔認証機能を、AI技術を用いることでセキュリティ能力をさらに強化することができます。具体的には下記のような活用方法があります。
・要注意人物の顔写真をデータに読み込ませ、同じ顔を検知することでアラームが鳴る
・過去に万引きしたことがある人の顔を登録させておくことで、来店した際にアラームが鳴る
・食い逃げ犯の顔写真を読み込ませておくことで、来店した際にアラームが鳴る、など
このように犯罪の予防のほか、犯人の逮捕にもつながる可能性があります。
スマートモーション検知機能(SMD)
動体検知機能を備えている防犯カメラがありますが、その場合、木が動いたり、動物が映像内に映ることでも反応してしまうという欠点がありました。それに対して、AI技術を用いて動体検知を行うのがスマートモーション検知機能(SMD)です。
映像内における無関係な動きをAIに学習させたり、人の動きを学習させることで、人の動きを高精度で検知することができます。そのため無関係な動体検知が減ることで誤報の回数が減り、警備などの負担を減らすことができます。つまり、より確実なセキュリティ体制が構築できるようになるのです。
人数カウント機能
カメラを経過した人数をカウントする機能は、人数カウント機能などと呼ばれます。来客数をカウントする際などに用いられますが、AI技術を活用することで年齢や性別などをより高精度に判別して人数をカウントすることができるようになります。そのため、マーケティングや接客効率化などへの活用もできます。
また店舗や施設などの空間が密かどうか判断したり、頭の数を瞬時にカウントすることでイベント会場や駅などの群衆人数をカウントする技術も開発されています。混雑が起こる場所で活用すれば、適正な警備体制の構築、スタッフの人員配置などに役立てることができます。前述した顔認証機能と併用し、スタッフの顔をカウントしないようにすることで、より高度な人数カウントができるようになります。
行為監視機能
AIは人間の行為を認識できるため、特定の行動をする人間を監視することができます。それが行為監視機能です。暴力を検知したり、転倒を検知したり、異常接近、異常滞在などの検知も可能です。これらの行為を検知した際には、自動的にアラーム音を鳴らしたり、管理センターなどへの通知を行うことも可能です。
例えば、万引きが多いコンビニやスーパーマーケットでは、AI搭載の防犯カメラが客の行為を監視し、万引きの予防につなげることができます。商品棚の前に不必要にしゃがんで商品棚に手を伸ばしたり、カバンのファスナーを開けるなど万引きにつながる行為が疑われる場合に、店員に自動で通知を行うといったことができるのです。
インテリジェントビデオシステム
インテリジェントビデオシステムとは、映像の中に特定のルールを設けて、そのルールから逸脱した人物がいた場合などに通知する仕組みです。
そのうちラインクロス検知は、仮想の領域や境界線を映像の中に作成することによって、領域内に侵入したり、境界線を越境した人物を検知することができる機能です。そのほか、駐車検知など任意のルールを設定することで、違反者の削減につなげることができます。
車両ナンバー読み取り機能
通過する車両を撮影し、映像からナンバープレートを検出する機能です。高速道路や幹線道路に設置されているNシステムでも導入されており、渋滞情報などにも活用されています。
また商業施設やマンション、工場などの駐車場では、車両のナンバープレートや色をAIが読み取り、登録されているリストと照合することで駐車場での入退場管理が行えます。さらに満車や空車の判別、車両の誘導なども防犯カメラを用いることでできるようになります。
AI搭載カメラの導入事例
AI技術を活用することで、防犯カメラには多彩な機能が搭載されるようになっています。この項目では、具体的にどのように導入されているのか事例を用いて紹介していきます。
交通機関での顔パス
新幹線や空港などではAI搭載の防犯カメラを利用し、「顔パス」による乗車や搭乗手続きの導入が進んでいます。事前に乗車の登録をしておくと、改札を通る際にAI搭載カメラが顔を解析し、登録済みであれば顔パスで改札を通過することができる仕組みです。
一方、空港ではチェックイン時にパスポートと顔を登録することで、顔パスでゲートなどを通過することができるようになります。
駅や鉄道での事故防止
鉄道の駅やプラットホームなどで発生する危険があるのが、転落や接触などによる人身事故です。こうした危険を察知することができれば、事故や事件を未然に防ぐことができますが、AI搭載の防犯カメラに人や物の行動パターンを覚えさせておくことでそれは可能になります。
例えば、お酒に酔ってフラフラ歩いている人や混雑の中でスピードを上げて走っている人を検知して、駅員に知らせるといったことができます。その他、不必要に電車に近づくなどの行為を監視し、自殺予防などにも活用できます。
高齢者の徘徊防止
高齢化社会が進んでいる日本で、度々ニュースになるのが高齢者の徘徊です。認知症などの病気によって、自分がどこに帰っていいのか分からなくなり、外出したまま歩き続けるといった状態になることがあります。
例えば、徘徊する可能性のある高齢者がいる場合、事前に顔認証などで登録しておくことで行動を確認することが可能です。万が一、徘徊を始めたとしてもアラーム通知機能などを活用して、家族や施設管理者に連絡するなどで高齢者の安全確保ができるようになります。
また行為監視機能を活用して、小さな子どもなどが犯罪に遭わないように監視を強化することも可能です。
違法駐停車車両の検出
通常の防犯カメラであれば駐車場内の監視にとどまりますが、AIを搭載した防犯カメラではラインクロス検知などを用いることで特定区域内に駐車しているか確認することができます。本来は駐車できない場所に駐車した場合に、警備員に通知したり、アラートを流すといったことで、違法駐停車に対して迅速な対応ができます。
工場や倉庫での安全管理強化
工場や倉庫では、人の立ち入りを禁止している場所などがあります。コーンなどを置いて危険を知らせる方法もありますが、気づかずに入ってしまった場合などは周りの人が声をかけない限り防ぎようがありません。
しかしAIを搭載した防犯カメラを導入することで、より高い精度で危険を察知することができます。こちらもラインクロス検知などを活用することで、危険区域に立ち入った旨を管理者や警備員などに迅速に通知することが可能です。そのため重大な事故に発展する前に、対応することができるのです。
商業施設での危険物置き去り検知
AI技術が搭載された防犯カメラの物体認識システムといった機能を用いると、人に代わって不審物を検知することができます。仕組みは、映像の中で指定した置き去り物などを検知した際に、警備室などにリアルタイムで通知が届くようになっています。
検知したい物体は登録可能で、ディープラーニングを採用することで、より精度の高い置き去り検知が可能になります。
必要な機能をイメージすることで防犯カメラ選びが容易に
防犯カメラにAI技術が搭載されることで、さまざまな機能が活用できることを紹介しました。よりセキュリティが強化されたり、トラブルが発生した際にもスピーディな対応が可能になります。
AI技術が搭載された防犯カメラを選ぶ際は、どのような機能が欲しいのか、具体的なイメージを持っておくといいでしょう。AI技術は常に進化を遂げており、さまざまな機能が搭載されているので、イメージしておくことでより選びやすくなります。
- 2024.12.11
- 13:06
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