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温度測定が可能なサーマルカメラ。選び方のポイントを解説!

サーマルカメラとは、商業施設や店舗、イベント会場などで温度を測定する際に使用するカメラのことです。瞬時に体温を測定できることからあらゆるシーンで用いられていますが、種類が豊富にあり、選ぶ際には戸惑うことも多いようです。
そこで今回のコラムでは、サーマルカメラの選び方のポイントについて解説していきます。
サーマルカメラとは
サーマルカメラの選び方を解説する前に、特徴や仕組みなどについて事前に知っておきましょう。選び方がよりわかりやすくなります。
サーマルカメラの仕組み
サーマルカメラが温度を計測する仕組みは、赤外線を検知する方法です。赤外線とは、人体など地球上のすべての物体が発している電磁波のことです。人の目で見ることはできませんが、温度が上昇するのに合わせてエネルギーも強くなります。この性質を活用して、サーマルカメラでは対象物の熱を計測することができるのです。
同じように対象物の温度を測る装置に体温計がありますが、体温計は直接触れることで熱を検知する接触式です。これに対してサーマルカメラは直接触れることなく体温が計測できる非接触式です。コロナ禍で幅広く活用されるようになったのに加え、離れた箇所の温度測定もできるため、幅広い場所で利用されているのです。
サーマルカメラの特徴
サーマルカメラは対象物の温度を計測する際に用いられる装具です。具体的な特徴を3つ紹介しましょう。
●非接触で温度が計測できる
サーマルカメラは赤外線を検出して温度を測ります。そのため直接対象物に触れることなく、温度を計測することができます。
●暗い場所でも温度が計測できる
カメラと言えば、ある程度の光や明るさがないと全体的に暗い映像や画像になります。しかしサーマルカメラは赤外線を検知するため、光や明るさがなくても問題はありません。また霧や煙など視界が不明瞭な場所でも、赤外線の検知は可能です。そのため見通しの悪い場所や逆光など、周りの環境に左右されることなく使用することができます。
●簡単に設置できるタイプもある
サーマルカメラはさまざまなタイプがあり、防犯カメラのように設置工事が必要ないのも特徴です。ハンディタイプであれば持ち運びができますし、スマホ程度の大きさのタブレット型もあります。そのため設置場所を選ばない機種もあります。
サーマルカメラが使用されるシーン
サーマルカメラを身近に感じるようになったのは、新型コロナウィルス感染症の感染拡大が注目されるようになってきてからでしょう。商業施設やイベント会場などに入る際に、体温を測る装置として広く知られるようになっています。
サーマルは「熱の」という意味の英語で、「themal」と表記されます。よく似た言葉に「サーモグラフィ」がありますが、これはサーマルカメラが撮影した映像や画像のことです。熱いところは赤、寒いところは青に見える映像で、テレビなどで夏の暑さを表現する際などでも使用されています。
このようにサーマルカメラは、撮影している人やモノの温度がひと目でわかるのが大きな特徴です。そのため、感染症対策以外にもサーマルカメラが使用されています。代表的なのが下記の2つの例です。
●電気やガス設備などの点検
発熱状態を検知できるため、電気やガス設備などの点検にも用いられます。設備に異常があり温度の変化があっても、わずかであれば気付きにくいものですが、サーモカメラで発熱を検知することができれば、異常箇所を絞り込むことができるのです。
●異常事態の監視
監視員や警備員を置くことなく、現場の状況を監視できるのが監視カメラですが、映像だけでは発熱などの異常事態が発生しているか確認できません。そのため監視カメラなどと組み合わせることで、異常事態の発生を確認することができます。例えば、空港や港湾などの屋外や建設現場、トンネル内などの視界が悪い場所でも異常を感じることができます。
サーマルカメラを選ぶポイント
サーマルカメラの仕組みや特徴を把握したところで、選び方のポイントについて解説していきましょう。選び方は設置場所や使用目的、必要な機能などいくつかあります。それぞれ解説していきます。
使用方法や設置場所によるサーマルカメラの選び方
サーマルカメラにはさまざまなタイプがあり、使用方法や設置場所によっても選ぶタイプが異なります。そのためこの項目では、カメラのタイプを紹介しながら、使用方法や設置場所も合わせて紹介していきます。
●固定型サーマルカメラ
サーマルカメラをある場所に固定して使用する場合に適したタイプです。通常の防犯カメラのように、施設の天井や壁などに取り付けます。建物のエントランスや商業施設内に設置し、入場者の体温を一度に計測したい、といった場合にも活躍します。防犯カメラに温度測定を追加する場合にも、このように固定して設置ができるサーマルカメラが選ばれます。
●タブレット型サーマルカメラ
タブレット型は、利用者が顔や手首などを画面に近づけることで温度測定を行うことができるサーマルカメラです。ショッピングセンターや小売店、オフィス、医療機関などの入口で、入場者に対して温度測定する場合に適しています。利用者自身が温度測定を行うため、人材を配置できない場合にも向いています。設置方法はスタンドなどに設置するだけで、使用することができます。またスタンドなどと一体化しているサーマルカメラもあります。タブレット自体で体温測定するのではなく、画面の上に小さな装置があり、そこで体温測定を行います。
●ハンディ型サーマルカメラ
計測者が手に持つことができるタイプのサーマルカメラです。固定型のように一度に複数の人の体温を測るのではなく、手首や額などで一人ひとりの体温を測っていきます。コンサートやイベント会場などで、入場者の体温を確実にチェックしたい場合などに適しています。
このように天井や壁などに固定して使用したい場合は固定型、商業施設や医療機関などの入口に設置し、利用者が自ら体温測定を行えるようにしたい場合はタブレット型、コンサート会場などたくさんの人が一度に集まる場所で係員が一人ずつ体温を計測したい場合はハンディ型などを選ぶことになります。
必要な機能による選び方のポイント
サーマルカメラは、機種によって搭載されている機能が異なります。そのため必要な機能が搭載されているカメラを選ぶようにしましょう。具体的には下記のような機能があります。
●アラート機能
「アラート機能」とは、体温を計測した際に異常を検知した場合に音が鳴る機能です。例えば、入場者の体温を計測した際に設定温度よりも高いと、アラート音で計測者に知らせることができます。タブレット型では、表示が赤くなるなどで利用者に知らせるケースもあります。
アラート機能があれば、発熱症状がある人の見逃しを防ぐことができます。ただし利用者がお客様などの場合は不快感を感じさせることもあります。そのためアラート音の音量を小さくする、不快にさせない音にする、などの機能が必要になる場合もあります。
●マスク着用検出機能
顔を近づけて体温を計測するタブレット型の中には、マスクを着用しているのか確認する機能が搭載されている機種もあります。タブレット型のサーモカメラを使用している場合、無人で行っているケースがほとんどです。そのため、マスクを着用しているか、確認することはできません。しかしマスク着用検出機能があれば、体温測定と同時にマスクの着用の有無も検出してくれます。そのため感染症予防としてさらに手厚い対策が実現します。
●顔認証機能
前述したマスク着用検出機能と同様に、体温測定と同時に顔認証を行う機能です。検温をしながら顔認証が行えるため、感染症対策とセキュリティ対策が同時に行えます。オフィスなど毎日同じ人が利用する場合に適した機能です。体温測定と顔認証を別々にするよりも時間が短縮され、煩わしさを感じることもありません。
機種によっては、体温測定と顔認証、さらにマスク着用検出機能の3つの機能が同時に搭載されているものもあります。またオフィスに設置する場合は、ドアロック機能や勤怠管理機能との連動ができるタイプの機種もあります。
そのほかサーマルカメラを選ぶ際のポイント
これまで使用方法や設置場所、機能などで選ぶポイントを紹介しましたが、この項目ではそれ以外に選ぶ際に注意したいポイントについて紹介します。
●検温できる範囲
サーマルカメラによって温度を検出できる範囲は異なります。また対象物との適切な距離も異なります。ハンディ型のように近くの対象物を計測する場合もあれば、広い範囲で対象物の温度を検出したい、あるいは遠い対象物の温度を計測したいという場合もあります。そのため、そうした要望に合わせた性能を持ち合わせていることが選ぶ際のポイントになります。
●検出スピード
サーマルカメラは写真を撮影するものではなく、体温を計測することが第一の目的です。その目的を果たすためにどの程度の時間が必要か、使用するシーンによって異なります。そのため検出スピードも、サーマルカメラを選ぶ際のポイントになります。
例えば、大勢の入場者を一人ずつ計測する場合、検出スピードが遅いと入場のスピードも遅くなります。そのため出来るだけ短い時間で、体温を検出できる機種がふさわしいと言えます。
サーマルカメラは使用目的や使用場所、使用方法などで選ぶ
サーマルカメラは感染症対策として幅広い場所で活用されるようになっていますが、選ぶ際に何を基準にしたらいいのか不安な方も多いようです。
今回のコラムでは、サーモカメラの特徴を踏まえた上で、選び方のポイントを解説しました。流通しているサーモカメラにはさまざまな機能が搭載されるようになっているだけではなく、形状や使い方なども多様になっています。そのため、まずは使用目的や使用場所、使用方法などを確認するようにしましょう。
ぜひ今回のコラムを参考にし、ふさわしいサーモカメラを選んでください。
- 2024.12.11
- 16:06
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