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飲食店での防犯カメラの効果とは?徹底解説

カフェや居酒屋、レストランなどの飲食店で防犯カメラが設置されているのをよく見かけるようになりました。特に大手外食チェーンの店舗では必須のようにも感じます。それは飲食店での犯罪を予防する効果のほか、さまざまな効果があるからです。
そこで今回のコラムでは、飲食店に防犯カメラを設置することで得られる効果について徹底的に解説していきます。
飲食店での防犯カメラが設置されている割合
少し古いデータになりますが、商店街や飲食店、不動産業、サービス業などを対象に札幌市が行った防犯カメラに関する2017年の調査では、「防犯カメラを設置している」が72%を占めています。このうち卸売・小売業、飲食店の場合は76.1%となっており、全体よりも高い割合となっています。
調査から5年以上が経過しているため、防犯カメラの設置割合はさらに高くなっていると思われますが、特に飲食店では防犯カメラが設置される割合が高く、当たり前のような感覚になっているのではないでしょうか。
防犯カメラを設置する目的は、「犯罪を防止する」あるいは「トラブルがあった際に確認できる」などが一般的です。しかし飲食店では、そのほかにもいくつかの効果が得られます。次の項目から詳しく見ていきましょう。
飲食店で防犯カメラを設置することで得られる効果
防犯カメラを設置する主な目的は犯罪防止やトラブル抑制および確認ですが、業務改善や管理などの効果も得られます。具体的に見ていきましょう。
安全性を確保することができる
飲食店に防犯カメラを設置することで得られる第一の効果は、店内の安全や安心が確保できることです。数多くの人が出入りできる飲食店では、さまざまなトラブルや犯罪が発生する可能性があります。レジのお金が盗まれたり、強盗に遭ったり、食い逃げなども考えられます。
トラブルとしては、客やスタッフ間でケンカや言い争い、行き違いや誤解などが発生することも考えられます。これらを未然に防ぐためにも防犯カメラが抑止力になってくれるのです。またトラブルが遭った場合も、防犯カメラに映像が残っていれば事実確認に役立ち、早期の解決につながります。犯罪であれば犯人が見つけやすくなり、再犯防止にも役立つのです。
従業員の勤怠状況が把握できる
従業員がどのように働いているかチェックするために、防犯カメラを活用している飲食店もあります。特に大規模な飲食店ではアルバイトの人数が多いケースもあり、忙しい業務の中で一人ひとりの勤怠状況を確認することが難しいこともあります。そのため防犯カメラの映像を確認することで、従業員の働きぶりをチェックすることができるのです。
閉店後に店長が防犯カメラを確認したり、大手外食チェーンでは運営本部が各店舗の従業員の勤務状況を把握するために防犯カメラを確認することがあります。ただし悪い部分を指摘するためにチェックをしているだけではなく、見逃している良い部分を見つけるためということもあります。
また不慣れな仕事を見つけ、丁寧なサポートをするために活用しているケースもあります。防犯カメラで働きぶりを評価し、時給が上がるということも珍しくはありません。
具体的には下記のような点がチェック対象となります。
・服装や服装規程、衛生的な問題点はないか
・就労時間や休憩時間は適切か
・接客姿勢はお店や運営会社の方針に沿っているか、など
一方、近年、アルバイト店員による悪ふざけなどがSNSで拡散されることもあり、こうした行為は「バイトテロ」と呼ばれるようになっています。店舗および運営会社のイメージを悪化させ、売り上げ減少などにつながるだけではなく、店舗の閉鎖に追い込まれるケースもあります。
また従業員による売上金の着服や食材の窃盗、備品の持ち帰りといった不正が発生するケースもあります。これらは店舗運営における損出となり、こうした不正を予防する、あるいは事実確認をするためにも防犯カメラが役立っています。
顧客ニーズを把握して対策ができる
防犯カメラの映像を分析することで、来店傾向などが把握できるようになります。例えば、下記のようなことが分析できます。
・来店人数
・来店日時
・来店者の性別
・来店者の年齢層、など
これらのデータを、さらに当日の注文数などと組み合わせて分析することで、顧客ニーズの傾向が把握できます。さらにマーケティングに利用できれば、来店傾向に合わせたメニュー開発やイベントなどの開催で、固定客の囲い込みや新規顧客の取り込みなどにつなげられる可能性があります。
また入店から退店までの来客者の動きを分析することも可能です。例えば、サラダバーの利用動向なども分析でき、これらを活用することで売上高や来客数増などにつなげることも可能になります。
衛生面での管理もできる
2020年6月に改正食品衛生法が施行され、飲食店ではHACCP(ハサップ)という衛生管理手法が義務化されています。そのためHACCPの考え方に基づいた衛生管理を行うことが飲食店でも必要です。
このように飲食店における衛生管理は厳しくなっていますが、防犯カメラを設置することで店内での衛生面での管理ができるようになります。例えば、HACCPでは調理環境の衛生管理を下記のように求めています。
・従業員の体調や髪、傷、服装はどうか?
・原材料の納入温度は適切か?
・原材料の使用期限や保存方法は問題ないか?
・ネズミやゴキブリなど異物混入につながる有害生物は発生していないか?
・排水の処理状況に異常はないか?
・床や内壁、作業台などは清潔か?
・調理器具の洗浄・消毒は正しく行われているか?
・調理機器から異音はしていないか?
・調理前やトイレ後の手洗いは徹底されているか?
・厨房は整理整頓され、清潔は保たれているか?
・店舗や運営会社によって決められた衛生習慣が守られているか?
防犯カメラの映像をチェックすることで、こうした衛生面に関する管理や対策も行うことができるようになります。
飲食店で防犯カメラを設置する際の場所とは?
飲食店に設置することでさまざまな効果が得られる防犯カメラですが、目的に合わせた設置場所も考慮する必要があります。この項目では具体的にどこに設置するのがいいのか、解説していきます。
レジの周辺
防犯カメラの設置場所として不可欠なのがレジの周辺です。お釣りの渡し忘れや金額間違いなど会計時にトラブルが発生した際の確認映像が確保できるほか、食い逃げや強盗などの犯罪防止にもなります。防犯カメラの映像だけでは詳細が確認できないケースもあるため、音声録音ができる防犯カメラを設置するのがおすすめです。
店舗の出入り口
店舗の出入り口に防犯カメラを設置しておくと、人の出入りを映像として残しておくことができます。不審者を見つけやすくなることに加え、強盗などの犯罪防止にも役立ちます。顔認証システムやアラート機能と連動しておくと、不審者が来店した際に瞬時に従業員に知らせることもできます。また顧客データの分析やマーケティングにも、人の出入りを映像として残すことは有効です。そのため服装の色などがわかるように、カラー映像を残せる機種がおすすめです。
客席
客同士のトラブル防止に役立つほか、客の表情なども残せるため人気メニューの開発や見直しなどにも活用することができます。またスタッフの効率的な動き方を分析することも可能になります。バイキングやビュッフェエリアがある場合は、イタズラや不正の抑制および確認する際にも役立ちます。
キッチン
食品衛生などに役立つのがキッチンに設置した防犯カメラです。マニュアル通りに調理を行っているかなど調理に関する管理ができるほか、衛生管理が徹底されているかなども確認することができます。また食品の無駄遣いなどを抑制し、食品ロス抑制、さらにはコスト削減にもつながります。
バックヤード
営業中のバックヤードは無人になりやすいため、不正や犯罪が発生する可能性があります。そのためバックヤードに防犯カメラを設置することで、不正防止、犯罪抑制になります。また被害が発生した際は、証拠として映像を確認することもできます。
駐車場
駐車場がある飲食店の場合、犯罪やトラブルが発生しやすいため、駐車場にも防犯カメラを設置することがおすすめです。車上荒らしだけではなく、車へのいたずらなども防止することができます。駐車場の空き状況も屋内から確認できるため、長時間駐車などに気付きやすくなります。
飲食店に防犯カメラを設置する際の注意点
飲食店に防犯カメラを設置する場合、メリットだけではありません。デメリットや注意点もしっかり把握した上で、活用するようにしましょう。
居心地が悪いと感じる客もいる
防犯カメラが複数設置されていると、ずっと監視されているようで居心地が悪いと感じる客もいます。リピートにつながらないケースも考えられるため、台数やデザインを考慮して設置しましょう。レジなどでは抑止力の意味も込めて、防犯カメラとわかりやすいデザインのものがおすすめですが、客席に設置する場合はドーム型などわかりにくいものを選ぶことがおすすめです。違和感を与えないようなデザインのものを選びましょう。
防犯カメラの設置を正しく伝える
総務省や経済産業省が定めた「カメラ画像利活用ガイドライン」によると、飲食店で防犯カメラを利用する際には配慮すべき事項がいくつか設けられています。例えば、データを分析する目的で防犯カメラを設置する場合は、目的などを正しく明記することが推奨されています。また撮影した映像データを正しく廃棄するなどの配慮も必要です。
犯罪防止だけではなく、スタッフの育成にも役立てられる
飲食店で防犯カメラを設置する際のメリットを中心に解説しました。犯罪や不正、トラブルの抑止力となるほか、スタッフの管理や教育などにも活かせ、さらにデータを分析することで売り上げ増につなげられるなどさまざまな効果があります。
ただし飲食店に防犯カメラを設置するには、利用客のプライバシーへの配慮など映像データを正しく利用する必要があります。こうした注意点も正しく守るようにしましょう。
- 2024.12.11
- 12:02
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