防犯カメラに関するお役立ちコラムはこちら
病室に監視カメラは必要?導入するメリットと設置のポイントを解説!

不特定多数の人が出入りする病院は、不審者の侵入や来院者同士のトラブル、医療事故などさまざまな問題が発生しています。これらの問題を抑制・防止するために、院内に監視カメラを設置している病院・クリニックが増えています。
しかしプライベートな空間にもなり得る病室に、監視カメラは必要なのでしょうか。今回のコラムでは、病室に監視カメラは必要なのかどうか、導入するメリットから探っていきます。また設置する際のポイントも解説していきます。
病院に監視カメラを導入するメリット
病院内ではさまざまなトラブルが発生する可能性があり、監視カメラを設置することによってそれらを未然に防いだり、発生した際に確認することができます。病院内で起こるトラブルには下記のようなことがあります。
患者によるトラブル
モンスターペアレントという言葉がありますが、病院の患者にはモンスターペイシェントと呼ばれるクレーマーもいます。理不尽な要求やクレームのほか、迷惑行為を働いたり、誰彼構わずに暴言や暴力を加える行為を行う人のことです。医療従事者や病院への恨みや妬みなどからそのような行為に発展することがありますが、病院の評価が不当に下げられる危険性もあり、病院としては対応すべき問題となっています。
もちろんモンスターペイシェントほどではなくても、医療従事者と患者、患者同士などでトラブルが発生することがあります。
不審者の侵入
特に大きな病院の場合は出入りに制限がなく、不審者が病院内を行き来することも少なくありません。こうした不審者の侵入がトラブルに発展することも多くあります。
盗難などの犯罪
病院内には、現金や患者のカルテなどの機密情報があるだけではなく、薬や注射器など一般には入手しにくいものも保管されています。そのため医療品などが盗難される事案が発生する可能性もあります。
ハラスメント問題
病院内では、医師や看護師などの医療従事者の他、事務員といった老若男女が働いています。そのため、パワハラやセクハラなどが問題になることもあります。
病院内ではこのようなトラブルや問題が起こる可能性がありますが、監視カメラを設置することで未然に防いだり、解決に導くことができる可能性があります。
それでは病室に監視カメラを設置するとどのようなメリットがあるのでしょうか。次の項目で見ていきましょう。
病室に監視カメラを設置するメリットとは
病室に監視カメラを設置する代表的なメリットは患者の容体を管理できるようになることですが、この項目では3つのメリットについて解説していきます。
患者の容体変化をいち早く察知できる
急性期の患者は容体が急変することがありますが、看護師や医師が常時見守ることができないケースもあります。その場合、監視カメラを病室に設置していれば、患者の様子をモニターなどで一元管理することが可能です。
患者が突然苦しみ出したり、意識を失った場合はナースコールが主流でしたが、ナースコースが押せない状況もあります。しかし監視カメラで患者の様子を監視・管理していれば、容体が急変した際に監視者がすぐに患者のもとへ向かうことができるのです。そのため命を救える可能性が高まるとも考えられます。特に療養型病院など高齢の患者が多く、命に関わる病気を患っているケースでは監視カメラはより有効です。
医療事故の防止や確認ができる
医師や看護師は患者のために働いているというイメージがありますが、稀にニュースで取り上げられることがあります。それは点滴などに異物が混入したり、間違った点滴を打つなどで医療事故が発生してしまう場合などです。これらの事故が起きないように監視し、万が一事故が発生した際に監視カメラが稼働していれば、映像データを確認することができます。
適切な医療業務が行われているか確認できる
前述したように入院患者が不当な要求を行ったり、暴言を吐くなどモンスターペイシェント化することもあります。そのため監視カメラを設置することで、これらの実情を記録することができ、早期の問題解決につながる可能性があります。
一方、医療従事者による患者に対する不適切な対応、あるいは虐待などが疑われるケースもあります。病室内は密室になりやすいことがその要因の一つで、そのため患者の家族が監視カメラの設置を要望するケースもあります。
監視カメラはこうした不適切対応の抑止になるだけではなく、映像データを確認することで疑われるような行動をしていない証明にすることもできます。
病室に監視カメラを設置する際の注意点
安心して患者が医療サービスを受けられる、また医師などが安心して医療を提供できるように設置する監視カメラですが、注意する点もあります。病室は、家族のお見舞いなどのほか、着替えや治療などのプライベートな空間にもなるからです。そこで、この項目では注意点を詳しく解説していきましょう。
目立ちにくいカメラの設置
犯罪抑止を主な目的に監視カメラを設置する場合は、存在感のある目立つタイプのカメラを設置するのが推奨されます。しかし病室にいるのは病気を患っている患者です。そのため、監視されているという不安感を持たれないようにするためにも、存在が気にならないように目立ちにくいタイプのカメラを選ぶようにしましょう。
病院内は柔らかい印象を与えるために白やクリーム色などに統一されていることがあるため、それらの色に合わせたカメラがおすすめです。カメラの型で言えば、ドーム型などがふさわしいとされます。
プライバシーへの配慮
監視カメラによる映像は、個人が特定でき、さらに行動パターンなどの個人情報も獲得することができます。つまり運用の仕方によっては悪用でき、プライバシーの侵害につながる危険性もあります。
そのため監視カメラの映像に関する利用目的を明確に定義し、医師や看護師、そのほか映像データに携わる人たちで共有し、徹底するようにしましょう。また映像データには患者だけではなく、医師や看護師なども撮影されています。そのため患者、患者の家族はもちろん、医師や看護師など病院で働く人に対して、監視カメラによる撮影に対して理解を得るようにしましょう。
ちなみに監視カメラで撮影する場合、下記のようなプライバシーを侵害する可能性があります。適切に対応するようにしましょう。
●肖像権・個人情報の記録
個人的でデリケートな情報が撮影されます。特に病室で監視カメラを活用する場合、患者にとって映されたくないものまで映ってしまう可能性もあります。
●守秘義務の記録
診察内容や病状によっては、他人に知られたくないこともあります。しかし映像データではあらゆるものが記録されてしまうため、それらの守秘義務が第三者に知られる危険性もあります。
●自由の制限
患者だけではなく、医師や看護師なども監視カメラに撮影されているため、ある程度自由が制限されることがあります。また監視カメラがあることで、ストレスを与えてしまう可能性もあります。
監視カメラは医療機関への設置実績がある業者に依頼
医療機関には重要な情報が保管されている一方、たくさんの人が出入りするため、適切な場所に監視カメラを設置する必要があります。つまり、監視カメラに関する知識を持っているだけでは適切な提案はできないものです。
そのため医療機関の実情に詳しい、あるいは医療機関への設置実績が多い業者を選ぶようにしましょう。金額が安いからなどといって選んでしまうと、必要な場所に監視カメラが設置されてないなどのケースも考えられます。
また医療機関に監視カメラを導入する場合、身体特徴が撮影されないように自動でモザイクを入れる機能や、不審者を追尾する機能などがあると便利です。医療機関への設置実績が多い業者では、こうした知識が豊富で、病院・クリニック側の多用な要望にも応じてくれます。
病室以外に監視カメラの設置が推奨される場所とは
病院やクリニックの中では、病室以外にも監視カメラが設置されています。それぞれどのような目的で設置されているのか、解説していきます。
玄関、待合所
たくさんの人が出入りする病院ですが、最も多くの人が集まるのが玄関や待合所です。患者や付き添いの家族だけではなく、お見舞いの方や業者、職員なども必ず玄関や待合所を通ります。そのためトラブルも起きやすくなりますので、玄関や待合所には監視カメラは必須と考えられます。
犯罪やトラブル防止などの他に来院者の情報を記録・管理する目的もあります。職員通用口がある場合は、監視カメラを設置することで職員の勤怠管理に用いることもできます。
受付・会計窓口
病院の受付や会計窓口には、現金やカルテ・問診票などの個人情報が保管されており、夜間の窃盗や強盗などに狙われるケースがあります。また職員による不正が起きる可能性もありますが、監視カメラがあればそれらを抑止あるいは監視することができます。
病棟
入院施設がある医療機関では、トラブル抑止や確認のために監視カメラがあると役立ちます。特にモンスターペイシェントの確認・防止のためには、ナースステーション全体を映すような角度で監視カメラを設置するとよいでしょう。
また、盗難や紛失事件が発生してしまうと看護師に疑いがかかることもあります。監視カメラがあることで、誤解や誤認されにくいというメリットもあります。
薬品庫
薬品庫は、致死性の高い薬品や、市販されていない専門性の高い薬剤なども保管されています。そのため各医療機関で管理マニュアルが定められており、通常は限られた人しか入れないようになっています。
しかし、転売や不正使用を目的に薬品庫に侵入を図る人もいます。監視カメラがあると犯罪の抑制にもなりますし、万が一盗難や紛失があった場合には状況の確認にも役立ちます。
犯罪や不正の抑止・確認のほか、患者の急変にも早期の対応が可能に
病室に監視カメラを設置するメリットについて解説しました。犯罪の抑止・確認のほか、患者の急変にも早期で対応できるようになるなど、大きなメリットがあります。また医療事故などが起きた場合、医療従事者の適切な対応を証明する証拠として活用することも可能です。
しかし病室はプライベートな空間にもなるため、プライバシーへの配慮が欠かせません。病室に監視カメラを設置する際は、病院への設置実績が多い業者を選ぶようにしましょう。設置場所や設置カメラ、設置台数などを適切に提案してくれるはずです。
- 2024.12.11
- 11:59
- 防犯カメラに関するお役立ちコラムはこちら