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学校・スクールでの防犯カメラの効果とは?徹底解説

子どもの安全を守るために、防犯カメラを設置する学校やスクールが増えています。学校やスクールには子どもが集まりやすく、犯罪が起きやすい場所でもあるからです。
そこで今回のコラムでは、学校やスクールに防犯カメラを設置する効果について解説していきます。
学校の防犯カメラ設置率
文部科学省が定期的に実施している学校の安全管理に関する調査「学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査(平成30年度実績)」(https://anzenkyouiku.mext.go.jp/report-gakkouanzen/index.html)によると、学校敷地内や校舎内への不審者侵入のために対応をとっている学校の割合は97.3%となっています。
そのうち防犯監視システムとして取り入れられているのが下記の割合です。
防犯監視システム | 平成30年度実績 | 平成27年度実績 |
---|---|---|
防犯カメラ | 58.1% | 47.7% |
センサー | 39.3% | 38.9% |
インターフォン | 63.5% | 62.7% |
認証装置 | 5.3% | 4.8% |
警備員の配置 | 9.7% | 9.7% |
そのほか | 10.3% | 10.6% |
防犯カメラの設置率は、平成27年度から平成30年度にかけて10%以上増加しており、現在はさらに増加していると見られます。
このように学校での防犯カメラ設置率が上昇しているのには、さまざまな効果があるからです。次の項目から詳しく見ていきましょう。
学校やスクールで発生するリスク
学校やスクールといった教育活動の場には、子どもが多く集まります。そのためさまざまなリスクがあり、そのリスク対策として防犯カメラが役立っています。まずは学校やスクールにおけるリスクについて把握しましょう。
登下校時のリスク
登下校時は校区内のさまざまな場所から児童・生徒、学生がやってきます。このときに起きやすいのが交通事故です。また不審者による連れ去り、誘拐、暴行などの被害が発生するリスクもあります。
学習活動時のリスク
学校やスクール内での学習活動において想定されるリスクには、外的要因と内的要因のものがあります。外的要因としては不審者の侵入による犯罪、内的要因としては生徒間のケンカやいじめ、授業や部活中の事故、窃盗などが発生するリスクがあります。
これらのリスク対策として、防犯カメラが効果を発揮しています。具体的にどのような効果があるのか見ていきましょう。
学校やスクールに防犯カメラを設置する効果
防犯カメラを設置することで得られる代表的な効果には、場所がどこであれ3つあります。それが犯罪を未然に防ぐ「抑止」、犯罪が起きた際の「証拠」、通常の状態を記録したり、見守る「監視・管理」という効果です。これを学校やスクールに防犯カメラを設置する際に当てはめて考えてみましょう。
犯罪を未然に防ぐ抑止効果
登下校時や学習活動時で発生するリスクの中には、防犯カメラが設置されていることで抑止力が働くケースがあります。例えば、登下校時の不審者による連れ去りや誘拐、学校内で起きる窃盗や不審者の侵入などです。
不審者や犯罪を起こそうとしている人にとって、防犯カメラが設置されていることで犯罪を思いとどまらせる可能性があります。場合によってはダミーカメラを設置したり、防犯カメラを設置している旨を掲示して知らせることでも抑止力になります。
防犯カメラの証拠能力
学校やスクールでは犯罪や事故、トラブルが起きる可能性があります。生徒間のケンカやトラブルだけではなく、部活中に事故が起きたり、夜間に器物破損事件や窃盗事件が起きるケースも珍しくありません。その際に役立つのが、防犯カメラに録画された映像データです。原因解明につながる証拠となりますし、犯罪が発生した場合は警察へ提出することもできます。
また最近では学校やスクール内でのいじめだけではなく、教師間のパワハラ、生徒と教師間のパワハラやセクハラ、教師による生徒へのいじめなども表面化するようになってきています。これらの抑止力としてはもちろん、子どもは事実を正しく伝えられないケースもあるため、防犯カメラがあることによってトラブルの解決にも役立てることができます。
監視・管理システムの構築
学校やスクールは児童や生徒、学生などのほか、保護者や取引業者など数多くの人が訪れます。こうした訪問者を管理する目的でも防犯カメラが役立ちます。また廊下やグラウンドなど、教職員の目が届きにくい場所の様子を常時管理することもできます。
登下校時には不審者がいることもあり、人気のない通学路の見張り、見守りとしても活躍します。さらに児童や生徒が通行ルールやマナーを守っているか、確認する際にも防犯カメラは役立ちます。
学校に防犯カメラを設置する場所
学校に防犯カメラを設置する効果について確認できたところで、どこに設置するといいのかも確認しましょう。
文部科学省が公表している資料「学校施設の防犯対策に関する調査研究報告書」では、防犯設備の設置場所の例として、「門」「校庭外周」「校舎入り口」「廊下」「エレベーター内」を挙げています。それ以外に推奨される設置場所も含めて、具体的に見ていきましょう。
校門の前
校門は多くの人が出入りする場所で、不審者の出入りを監視することができ、抑止力も期待できます。そのため校門の前は重要な設置場所の一つです。犯罪が起きた際は、犯人が出入りしている様子やその後の行動も撮影されている可能性があります。そのため再発防止に役立てることもできるのです。正門はもちろん、裏門などへの設置も推奨されています。
外回り・通学路
不審者が潜んでいる可能性が高いのが学校周辺です。登下校時の連れ去りや誘拐などの犯罪を犯す場合は下見を行っているケースもあるため、不審者を確認することで対策を強化するきっかけにもなります。また、交通事故や当て逃げなどが発生した場合は証拠にもなり、早期の解決も目指せます。
グラウンド・駐車場
校舎から離れているグラウンドや駐車場は、監視の目が行き届きにくい場所です。そのためグラウンドや駐車場では犯罪や事故が発生する可能性があります。特に駐車場を開放している学校が多いため、不審者の侵入を防ぐためにも防犯カメラが役立ちます。
またグラウンドは体育の授業や部活動などで使用されますが、見守っている教職員が少ないという現状があります。そのため体育の授業や部活動での見守りにも役立ちます。
校舎の入り口
学校内に不審者が侵入する場合、出入り口を通ることが多いため、校舎の出入り口は必ず防犯カメラを設置したい場所です。職員室や事務室などにモニターを設置すれば、来訪者の確認や管理も行うことが可能になります。また学校祭や運動会、体育大会など外部の訪問者がある場合にも、校舎の入り口に防犯カメラがあることで不審者の侵入などをチェックすることができます。
廊下
学校の廊下は児童や生徒が行き来する場所でもあり、トラブルが起きやすいものです。特に休憩時間や登下校時は多くの児童・生徒の溜まり場ともなる一方、教職員の目が届かない時間帯でもあります。そのため、防犯カメラを設置することによって、児童や生徒たちの様子を見守ることが可能です。校内のルールに違反した行動をしていないか確認することもできます。
また不審者が学校内に侵入した場合、どのような経路を辿って移動したのかも防犯カメラがあることによって確認することができます。
職員室や事務室
成績や生活態度に対する評価などの個人情報、機密情報を保管しているのが職員室です。テスト前に問題用紙が盗まれるといった事案もありますが、防犯カメラが設置されているとそれらを抑止し、万が一発生した場合に証拠とすることもできます。
また職員室や事務室には、児童・生徒から集めた給食費や学費、修学旅行の積立金などが保管されており、金品目的の窃盗犯に狙われやすい場所です。そのため、防犯カメラがあると安心できます。
学校やスクールに防犯カメラを設置する際の注意点
学校やスクールでの安全管理に効果的な防犯カメラですが、設置する際には注意点があります。この項目では3つの注意点について解説していきます。
保護者の理解を得る
防犯カメラには安全確保や犯罪防止の役割がある一方、児童・生徒には心理的な圧迫感を与えることにもなります。常に監視されているような感覚を持つことがあるため、保護者の理解が欠かせません。防犯カメラを設置する必要性を正しく説明して、理解を得るようにしましょう。
プライバシーに配慮する
防犯カメラを設置することで、常に児童・生徒の様子が映像データに記録されてしまいます。つまり本来であれば残らない情報、残したくない情報も、映像データとして残ってしまうのです。プライバシーの侵害が疑われないように、配慮が必要となります。
映像データの取り扱いに注意する
2022年春に学校に設置されていた防犯カメラとレコーダーの撤去を行った業者が、そのままインターネットオークションに出品し、学校内の映像が流出したという騒動がありました。前述したように、学校内を撮影した映像データには児童や生徒、さらには教職員が映っていることが大半です。これらの映像にはプライバシーに関わる情報が記録されているため、不用に外部の人に流出しないように正しく取り扱うことが求められます。業者にデータ消去を依頼する場合も、その場に職員が立ち会うなど責任を持って対応する必要があります。
防犯カメラの設置を依頼する場合は学校やスクールでの設置実績が多い業者へ
学校やスクールに防犯カメラを設置する効果や注意点などについて解説してきました。学校などは敷地も広く、主要な撮影対象となる子どもの数が多いのが特徴です。
また学校やスクールの構造はそれぞれで違うため、死角ができる場所も異なります。そのため学校やスクールに防犯カメラを設置する場合は、設置実績が多い業者を選ぶようにしましょう。適切に下見を行い、防犯カメラの設置場所や設置台数、カメラのタイプなどを提案してくれるはずです。
- 2024.12.11
- 11:58
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