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観光地に防犯カメラを導入するメリットと活用方法を解説

全国の観光地で、防犯カメラの導入が進んでいます。さまざまな国や地域から人が集まるため、ルールやマナーなどの違いからトラブルに発展することが多いためです。また犯罪やイタズラなどを抑止したり、万が一犯罪やトラブルが起きた際には証拠にもなります。
そこで今回のコラムでは、観光地に防犯カメラを導入するメリットを紹介し、さらに防犯目的以外の活用方法についても解説していきます。
観光客が増加することで迷惑行為なども増加
国土交通省観光庁の観光統計によると、2023年1月の延べ宿泊客数は3,949万人泊となっています。これは前年同月比38.9%増となっており、2019年の1月からは7.5%減となっているものの、コロナ前の水準に戻りつつあることが伺えます。
また外国人の延べ宿泊者数は、2023年1月が606万人泊、2月は592万人泊となっています。2019年同月比はどちらの月もマイナス30%程度ですが、前年同月比は2500%以上の増加となっており、外国人の観光客も増えていることがわかります。
このように観光客が増えることで観光地の経済が潤う一方、オーバーツーリズムと言われるさまざまな問題が発生します。その中でも多いのが下記のような行為です。
- ゴミのポイ捨て
- 立ち入り禁止区域への立ち入り
- 行列への割り込み
- 電車内での迷惑行為
- 文化財への落書きなどのイタズラ
- 道路への座り込み
- 備品の持ち帰り など
また、お金のやり取りに関するトラブルのほか、万引きや置き引き、スリといった犯罪も増えてくるものです。そこで防犯対策の一つとして、多くの観光地で導入されているのが防犯カメラなのです。具体的にどのようなメリットがあるのか、次の項目で解説していきます。
観光地に防犯カメラを導入するメリット
防犯カメラを導入すると、防犯効果が高まるというメリットがまず考えられます。具体的には下記のような要素があるからです。
- 犯罪抑止力が働いて犯罪が減る
- 犯罪があった際に証拠となり、検挙率が上がる
- トラブルがあった際には原因の解明ができる など
この項目では、これらの防犯効果を含めて5つのメリットについて詳しく解説していきます。
犯罪抑止力が働いて犯罪が減る
例えば、車を走らせている際にパトカーを見かけると、制限速度をオーバーしていないか、シートベルトをちゃんと閉めているか確認するといった人もいるでしょう。監視の目があると、違法な行為や犯罪につながる行為をしないように、行動を制限したり、見直したりするのが一般的です。
それと同様に、防犯カメラの前では犯罪を起こそうという人は多くありません。誰も逮捕されたくないからです。これが防犯カメラの犯罪抑止力です。筑波大学システム情報系准教授の天宮護氏が代表研究者となって発表した「繁華街に設置された街頭防犯カメラの効果検証」という研究では、2010年2月に福岡市天神周辺に防犯カメラを設置したところ、設置前と設置後では下記のように犯罪数が減少していることが報告されています。
犯罪の種類 | 設置前1年間の発生件数 | 設置後1年の発生件数 |
---|---|---|
粗暴犯 | 93件 | 38件 |
ひったくり | 96件 | 42件 |
自転車盗 | 270件 | 212件 |
車両関連犯罪 | 56件 | 30件 |
観光地でも防犯カメラを設置することでこのような犯罪抑止力が働き、犯罪の数が減少する期待が持てるのです。
犯罪があった際に証拠となり、検挙率が上がる
前述したように防犯カメラがあることで犯罪抑止力は働きますが、犯罪がすべてなくなるわけではありません。しかし防犯カメラが犯行シーンを録画していれば、証拠映像が残ることになります。これによって犯罪の検挙率が向上する可能性もあります。
映像には万引きや置き引きなどの犯罪が行われている一部始終が記録されており、犯人の顔や容姿なども確認することができます。そのため犯人を早期に特定することが容易になります。犯人が早期特定されると、万引きや置き引きなどで被害に遭った金品が戻ってくる可能性が高くなります。つまり防犯カメラがあることで、万が一犯罪の被害に遭っても解決につながることが期待できるのです。
トラブルがあった際には原因の解明ができる
多くの観光客が訪れる観光地では、お土産品などを購入する人が多くいます。また現地ならではのグルメを食べるといった人も多いでしょう。つまり、いつもよりお金を使うことが多いのも観光地の特徴の一つです。そこで発生するのが、お金のやり取りに関するトラブルです。また観光客が集まる観光地では、人が密集することも多く、接触などのトラブルも起きやすくなります。
そのため観光地の小売店や飲食店などでは、下記のようなトラブルが考えられます。
- お金の受け渡し忘れ
- クレジットカードの受け渡し忘れ
- 購入品の渡し忘れ
- 客同士の言い争い
- 客同士の接触
- 店舗内での迷惑行為
- 試食以外の商品を食べる など
こうしたトラブルに遭った際に、防犯カメラの映像があると原因を特定することができ、問題を解決することができます。また映像を分析し、犯罪やトラブルの原因を探ることで、再販防止策を構築するのにも役立ちます。これも防犯カメラを設置するメリットの一つです。
防犯効果が高まることで安心感が高まる
前述したように防犯カメラによって観光地の防犯効果が高まりますが、その分、観光客や観光地で働くスタッフの安心感も高くなります。犯罪が起きにくく、また万が一犯罪やトラブルが起きても解決する可能性が高いからです。安心感が高い観光地は観光客が訪れやすくなり、さらなる人気スポットになる可能性もあります。
また、観光地で働くスタッフの方が安心できるようになると、プラスαも期待できます。安心して働けるため接客に対するモチベーションが上がることに加え、観光客が増えることで接客スキルが向上する機会が増えるからです。つまり防犯カメラがあることで、観光地としてのクオリティを上げることもできるのです。
人件費を抑えながら防犯対策ができる
防犯カメラを導入するメリットには、人件費などの経費削減もあります。例えば、観光地では文化財などにイタズラ書きをされたり、傷をつけられるといった被害も起きます。イタズラは気軽な気持ちで行うことも多いですが、観光地の目玉でもある文化財などに傷がついてしまうと、観光地自体の魅力が低下することになります。そのため、警備員を配置するなど防犯対策を行う必要があるのです。
しかし警備員を導入する場合、ネックとなるのが人件費です。1日20,000円の警備員を2人、365日間警備に当たらせるとすると、年間約1500万円の人件費が必要になります。これに対して防犯カメラを導入する場合、2台設置するとすれば30万円〜50万円程度となるだけです。電気代やメンテナンス料などが必要となるものの、警備員を雇う人件費に比べて経費を削減することができます。夜間や休日に割り増し料金が発生するわけでもないため、コストパフォーマンスに優れた防犯対策ができるのです。
観光地における防犯カメラの新しい活用方法
防犯カメラは防犯効果を高めることが第一の目的になりますが、それ以外の活用方法もあります。この項目では防犯カメラの新しい活用方法について、事例も交えて紹介していきます。
観光スポットの魅力を発信
観光地では、観光客を呼び寄せるために、魅力的な観光スポットに関するポスターやチラシなどを作成することがあります。その一環として、防犯カメラの映像を活用した観光スポットのリアルタイム発信を行う観光地も増えています。観光地の風景をはじめ、行事や観光スポットのにぎわいなどをインターネットやSNSを通じて発信していく手法です。
また観光地ならではの自然現象や、珍しい動物の出現なども防犯カメラで撮影できることもあります。これらを発信することで、観光地の魅力向上につなげることもできるのです。
さまざまな情報をリアルタイム発信
防犯カメラの映像はリアルタイムで発信することができるため、所有する観光資源によってさまざまな活用方法が考えられます。例えば、源泉から立ち上がる湯気の様子を配信している温泉郷、飼育動物の様子を発信している水族館や動物園、混み具合を発信しているスキー場や海水浴場などもあります。このように観光地の魅力をリアルタイムで届けることで、新しい顧客の取り組みにつなげています。
また観光スポット近くの駐車場や道路の混雑状況、天候の様子など、観光客に必要な情報をリアルタイムで発信している観光地もあります。
オフシーズンの施設管理
観光地にはハイシーズンやオフシーズンがあり、季節によって観光客の入りは異なります。また休日に比べて平日はにぎやかさも減少するのが一般的です。つまり閑散期になると観光客が少ない観光施設などもあり、それらの管理や監視に防犯カメラを活用することもできるのです。
例えば、別荘が集積するエリアでは人影が減り、そこを狙って不審者が住み着いたり、盗難被害に遭うこともあります。そのため防犯カメラを活用して、施設の管理を行うのです。IPカメラなどを用いてネットワーク化すれば遠隔監視や遠隔操作もできるので、管理員が常駐する必要もありません。このように防犯カメラを活用することで、人件費を削減しながら、施設の管理をすることもできるのです。
観光地の防犯効果を高めるには防犯カメラが役立つ
観光地が栄えるのはいいことですが、その反面、オーバーツーリズムといった問題を抱えることになります。さまざまな人が集まるため、マナーに反した行為をする人がいたり、犯罪者・不審者などに狙われることも想定されます。また接触などでトラブルに発展したり、お金のやり取りに関するトラブルも考えられます。
こうした犯罪やトラブルを未然に防ぐのに有効なのが防犯カメラです。万が一犯罪やトラブルが起きた際には、原因解明ができるだけではなく、再発防止策を考える際にも役立ちます。
ただし観光地という特殊な場所だけに、どのような箇所にどのような防犯カメラを設置すると有効的かは、専門家によるアドバイスが欠かせません。観光地で防犯カメラを設置した実績がある専門業者にまずは相談してみましょう。
- 2024.12.11
- 11:52
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