防犯カメラに関するお役立ちコラムはこちら
公園に防犯カメラは必要?導入するメリットや効果について解説

自由に誰でも利用できる公園は、小さな子供だけではなくさまざまな人の憩いの場になっています。しかし自由に出入りができる分、犯罪者や不審者も集まりやすく、実際に子供が犯罪に巻き込まれるケースもあります。
そこで今回のコラムでは、公園に防犯カメラを導入するメリットや効果について解説していきます。
公園で起きる犯罪
警察庁の「令和3年における行方不明者の状況」によると、令和3年の行方不明者数は79,218人で、このうち9歳未満は1,010人、10歳代は13,577人と未成年者の行方不明者が数多く報告されています。また平成24年6月に公表した「平成 23 年の犯罪情勢」によると、小学生の犯罪被害の発生場所の上位は下記のようになっています。
- 駐車(輪)場…29.5%
- 共同住宅…19.2%
- 道路上…15.5%
- 都市公園…10.7%
- 一戸建て住宅…10.4%
子供が集まる場所には子供を狙う犯罪者も引き寄せられるため、公園や共同住宅、駐車場といった場所で犯罪が起きやすいという結果になっています。
実は日本の公園は、海外の公園とは異なり、犯罪が起きやすい構造をしているとも言われます。主な要因として下記のようなことが挙げられます。
- 塀や樹木で周囲からの見通しが悪い
- 高台にあり、周辺道路から公園内が見えない
- 周囲に路上駐車が多い
- 出入口が複数ある
- トイレが見えにくい場所にある
- 周囲に住宅が少ない
- 大型の遊具などで死角がある、など
公園ではこのようなことから犯罪が起きやすく、子供への声掛け事案や連れ去り、誘拐事件などが多く報告されています。また、学生がたむろしていたり、ホームレスの住処になったり、トイレに落書きされたりといったように、トラブルにつながる出来事も起きやすい場所になっています。
そこで各地域では防犯対策が取り入れられていますが、その一つが防犯カメラの導入です。公園に防犯カメラを導入することでどのようなメリットがあるのか、次の項目で見ていきましょう。
公園に防犯カメラを設置するメリット
公園では犯罪やトラブルが起きやすいことから、防犯対策が取られているケースが少なくありません。中でも防犯カメラを設置する、代表的な3つのメリットについて解説していきます。
犯罪を未然に防ぐことができる
防犯カメラのメリットの一つは、犯罪者に威嚇できることです。前述したように公園では犯罪が発生する可能性があり、中でも小学生や未就学児など子供が狙われる犯罪が多くなります。
しかし防犯カメラがあることで、これらの犯罪を未然に防ぐことができます。防犯カメラがあると捕まるリスクが高まるため、犯罪を起こすのを諦める可能性があるからです。また「防犯意識が高い公園だ」と犯罪者に思わせることができ、不審者を寄せ付けない公園にできるのも最も大きなメリットです。
万が一の際も早期の解決ができる
もちろん、防犯カメラを設置していても犯罪がすべてなくなるわけではありません。そこで役立つのが防犯カメラの録画機能です。犯罪の一部始終が録画されていれば、犯人の特定がしやすくなり、早期解決につなげることができます。
犯行そのものはもちろん、侵入経路や逃走経路なども記録されているのもメリットの一つです。犯人の特定がしやすくなり、小さな被害で済む可能性もあります。
イタズラを抑止することができる
公園では犯罪の他に、子供が起こすような何気ないイタズラから、悪質なイタズラなどが起きます。実際に、下記のようなイタズラが報告されています。
- トイレに火をつける
- 遊具にスプレーで落書きをする
- トイレの便器を壊す
- 樹木を傷つける
- 遊具を破損する
- 遊具に刃物を置く、など
これらは器物破損にあたる行為ですが、誰も見ていないケースでは犯人を特定することができません。また未成年者がタバコを吸ったり、たむろして深夜に騒いだりといったこともあります。公園は公共の場ですから、これらの行為が行われると公園の利用者全員が迷惑を受けることになります。防犯カメラがあるとこれらの行為が抑止される上に、実際にイタズラ行為が起きた場合には録画されたデータを確認することで、該当者を早期に特定することができます。
公園に防犯カメラを設置する際のポイント
公園に防犯カメラを設置するメリットを把握したところで、設置する際のポイントを解説していきます。
公園に設置する防犯カメラの選び方
防犯カメラとひと言で言っても、形状や機能がたくさんあります。そこで公園に設置する防犯カメラを選ぶ際にどのような機種を選んだらいいのか、解説していきます。
形状
防犯カメラには、主に「ボックス型」「バレット型」「ドーム型」の3つの形状があります。公園に防犯カメラを設置する大きな目的は犯罪を抑止することですので、できるだけ目立つ形状がおすすめです。そこで第一選択となるのが「ボックス型」や「バレット型」です。長方形に近い形をしており、存在感があるため犯罪者が気づきやすいと考えられます。
機能
防犯カメラを開発・製造する各メーカーではさまざまな機能を搭載していますが、公園に設置する防犯カメラに設置されていると役に立つのが下記の機能です。
●PTZ機能
PTZ機能(またはPTZカメラ)は、遠隔操作でカメラの首振りが操作できる機能のことです。PはPanoramac(パン)、TはTilt(チルト)、ZはZoom(ズーム)を指します。それぞれの機能は下記になります。
パン…水平方向への首振り チルト…垂直方方向への首振り ズーム…ズームアップ(望遠)とズームアウト(広角)
PTZ機能が搭載されていると、レンズが上下左右に首振りをし、さらにズームアップとズームアウトができるため、広範囲を撮影することができます。
●暗所撮影機能
公園は夜間でも利用が可能で、トイレへの落書きなどのイタズラは夜間に行われるケースがあります。そのため暗い場所でも撮影できる機能は欠かせません。暗所撮影機能は、LEDライトを照射する方式や高性能レンズを採用している方式など、撮影方式や性能の高さが機種によって異なります。夜間の利用が多い公園の場合は、カラーでより鮮明な映像が残せるなど性能が高い機種を選ぶようにしましょう。
●オートスナップショット機能
オートスナップショット機能とは、指定した曜日や時間帯になると、自動的にスナップショットを撮影する機能です。定点観測をする際に役立つため、公園の様子の変化などを記録しておくことができます。60分間隔など指定した間隔でスナップショットを撮影するインターバル撮影もできます。
防犯カメラの設置場所
公園に防犯カメラを設置する場合、効果的な設置場所はそれぞれの公園によって異なりますが、代表的なのは出入り口とトイレ近くです。そのほかのおすすめの場所も含めて解説していきます。
出入り口
公園の出入り口は、誰もが通る場所です。子供はもちろん、犯罪を起こそうとしている不審者も必ずと言っていいほど出入り口を通ることになります。そのため出入り口に防犯カメラを設置すると、犯罪が起きた際の確認などにも用いることができます。出入り口が複数ある場合は、優先順位を決めて設置場所を選びましょう。
トイレ
落書きや痴漢、性的犯罪、声かけなどに利用されることが多いのがトイレです。トイレは死角を作り出してしまうため、トイレに防犯対策をすることで公園の安全性を向上させることができます。ただし、トイレ内に防犯カメラを設置することはできないため、トイレの出入り口や周辺を監視するような形で設置するようにしましょう。
公園全体
小さな公園や団地内にある公園などであれば、公園全体を撮影できるような位置に防犯カメラを設置するようにしましょう。街灯などの高い位置に防犯カメラを設置することで、広い範囲を見渡すことができます。死角ができてしまう場合は、規模に合わせて複数の防犯カメラを設置することで、防犯効果を上げることができます。
公園周辺
防犯対策として重要なのが、公園周辺に現れる不審者を確認することです。不審者は突然現れて、堂々と出入り口から入って犯罪を犯すわけではありません。周到な犯罪者であれば、下見を行い、公園がどのような状況にあるのか確認してから、公園に入っていきます。つまり、公園の外から公園内を伺うというような行動を繰り返し行っている人物は、今後犯罪を起こす可能性があると考えられるのです。そうした人物を早期に発見することで、公園の安全を守ることができます。
また犯罪が起きた際には、犯罪者が逃げていく姿なども記録することができます。そのため犯罪者の早期特定にも役立ちます。
名古屋市では公園などにおける防犯カメラに関するガイドラインを策定
今回のコラムでは、公園に防犯カメラを設置するメリットや効果について解説しました。公園は子供たちをはじめさまざまな人が集う場所です。そのため犯罪者や不審者も引きつけてしまうことで、犯罪も発生しやすくなります。
ちなみに、名古屋市では、安心・安全でなおかつ快適なまちづくりのため、道路や公園など公共空間における防犯カメラの設置に関する「名古屋市公共的団体による防犯カメラの設置及び利用に関するガイドライン」を設けています。その中で「防犯カメラを設置することは、犯罪が発生しにくい環境を作るには有効な手段」としており、防犯カメラの犯罪抑止に対する効果について肯定的な考え方を示しています。
ただし、画像の取り扱いや管理、防犯カメラを設置している旨の告知など、適切な運用も求めています。公園に防犯カメラを設置する場合は、これらのガイドラインを正しく理解することが重要です。
また死角がどこにあるのかなど、公園に防犯カメラを設置するには専門的な知識が必要になります。公園での設置実績の多い専門業者に依頼するようにしましょう。
- 2024.12.11
- 11:51
- 防犯カメラに関するお役立ちコラムはこちら