防犯カメラに関するお役立ちコラムはこちら

NVRとは？ネットワークカメラの録画システムを解説

一般的なネットワークカメラは、モニタリングはできるものの録画機能は搭載されていません。そこで、ネットワークカメラ対応の録画機器として注目されているのがNVRです。

今回のコラムでは、このNVRの特徴を解説し、さらにメリットや活用シーンなどを紹介していきます。

NVRとは

NVRとは「Network Video Recorder（ネットワーク・ビデオ・レコーダー）」の略称で、ネットワークカメラなどのデジタル方式の防犯カメラや監視カメラが記録した映像を録画する機器です。従来の録画機器であるDVR（Digital Video Recorder、デジタル・ビデオ・レコーダー）は、アナログカメラ専用の録画機器です。防犯カメラはアナログからデジタル時代に移行しつつあり、その中で数多く導入されているのがNVRなのです。

ネットワークカメラの映像を録画するには、このNVRの他にサーバ型とクラウド型があります。サーバ型はデータ保存用のサーバに映像データを保存する方法で、一方のクラウド型はインターネット上の保管場所であるクラウドに保存する方法です。

NVRの仕組み

ネットワークカメラは、LANケーブルを使ってハブを経由することで接続するのが一般的です。このネットワークに、ハブを通じてNVRをつなげることでネットワークカメラとの接続が可能になります。またwi-fiなどの無線で接続することも可能です。

NVRには録画に必要なソフトウェアが購入時にすでにインストールされているほか、インターネットと接続するためのインターフェースも機器に内蔵されています。そのため特別な設定をすることなく、ネットワークカメラやモニターに接続するだけで使用することができるのが特徴です。ネットワークカメラで撮影された映像は、ネットワークを通じてNVRに伝送され、搭載されている記憶媒体「ハードディスク（HDD）」に保存されます。

NVRのメリット

NVRを導入するメリットには、デジタル方式に対応できるということの他にいくつもあります。この項目では代表的な5つのメリットを解説していきます。

キレイな映像が残せる

アナログ方式の防犯カメラの場合、カメラの価格が安いなどのメリットがありますが、「映像が低画質」「画質が劣化しやすい」などのデメリットがあります。一般的なアナログカメラの場合、最大解像度は約30万画素程度です。一方、デジタルデータに変換されるデジタル方式では、100万画素以上の高画質で映像を残すことができます。最近では4K解像度に対応する機種も登場しており、超高精細な映像として記録することも可能です。しかも映像データが劣化しにくいため、キレイな映像をいつまでも残すことができます。

トラブルに強く信頼性が高い

カメラが24時間稼働している場合、録画データは膨大な量になります。そのため録画機器の容量がすぐになくなり、必要な映像を誤って削除してしまうケースもあります。しかしNVRはパフォーマンスの高いCPUが搭載されており、高速なデータ処理が可能です。さらにHDDの容量にも拡張性があります。

また多くのMVRはRAID構成になっており、トラブルに強いのが特徴です。ストレージの信頼性も高く、データの保護や復旧にも強いというメリットがあります。

遠隔操作も可能

インターネットを経由して映像を録画するNVRでは、遠隔地から端末を操作することでも映像の管理ができます。リアルタイムのモニタリングはもちろん、映像の保存、確認なども可能です。また拡張性も高く、1台で数百台ものネットワークカメラと接続することも可能です。気になったときに気になった場所のカメラを、離れた場所から操作できるため、ビジネスやプライベートでの活用シーンが広がっていきます。

多彩な用途で活躍する

ネットワークカメラの用途は防犯カメラ以外にも広がっています。代表的なのが下記のような例です。

・公共施設や工場などの安全監視・マーケティングを目的としたモニタリング・接客品質の向上のためのモニタリング、など

このようなネットワークカメラの用途をさらに広げるのが、NVRの存在です。映像データが録画できるため、映像解析などがより的確にできるようになります。そのため、さまざまな場面でネットワークカメラが活躍しているのです。

NVRの活用シーン

NVRはさまざまな場所に導入されており、従来の防犯カメラにおけるセキュリティ目的のほかに、モニタリングなどにも活用されています。どのような場所でどのような目的で導入されているのか、具体的に見ていきましょう。

マンションや駐車場

マンションやその敷地内にある駐車場では、入居者が数多くいることから不審者の侵入を防ぐことが難しく、犯罪やトラブルにつながるケースがあります。そこでマンションの入り口や廊下、駐車場にネットワークカメラを設置し、管理室にNVRを導入することでセキュリティを強化することが可能です。

ネットワークカメラによって管理室で複数のカメラを集中管理することができるほか、インターネットを通して管理会社の事務所でのモニタリングも可能になります。NVRを導入して録画機能を有することで鮮明な画質による保存が可能になり、万が一の際にも証拠としての有力な情報となります。また映像の長期保存も可能になります。

建設現場

建設現場にネットワークカメラを設置することで、工事の進捗状況や安全管理のレベルを上げることができます。また遠隔地から現場状況が詳細に把握できるため、複数の現場を管理事務所で一元管理することもできます。

NVRを設置することで映像分析がより正確にできるようになり、最適な人員配置や業務コストの削減なども実現します。また現場で事故が発生したり、スタッフ間のトラブルが発生した際にも、状況確認のツールとして大きな役割を果たすことができます。

オフィス

コンプライアンスの徹底など企業に求められる要素は時代とともに変化しますが、セキュリティレベルの向上もその一つです。情報のデジタル化によって漏洩リスクが高まっており、企業の大切な情報を守るためにもネットワークカメラおよびNVRが導入されるケースが増えています。

一方、入口や受付などで不審者の侵入をチェックするセキュリティ目的のほか、社員の業務レベルのモニタリングなどにもネットワークカメラが使われるようになっています。NVRを導入することにより、スタッフの勤務状況の確認が記録した映像を通じてできるようになります。そのため作業の効率化や勤怠管理などにも、ネットワークカメラで撮影した映像が用いられるようになっています。

飲食店や小売店舗

不審者の侵入や万引きなどの犯罪、スタッフによるトラブルなどのセキュリティ目的で防犯カメラが導入されるケースが多かった飲食店や小売店舗ですが、用途が広がってきています。本部とは切り離して店舗運営を行うケースの多い飲食店や小売店舗では、現場の判断に任せられることが多いですが、店舗内にネットワークカメラを設置することで本部で来客状況を確認したり、従業員の勤務状況を把握することができるからです。

NVRを導入することで、モニタリングだけではなく来客状況や動線をより詳細に把握することができるようになり、マーケティングツールとしての役割を果たすことも可能です。各店舗にあるカメラを本部で一括管理することもできるため、より効率的な店舗運営も可能になります。

教育機関

近年、少子化の深刻度が増してきており、どの教育機関でも生徒を確保するための戦略を展開しています。その一つとなるのがネットワークカメラの導入によるセキュリティ強化と講師陣のレベルアップです。授業内容をNVRによって録画することで、講師陣レベルの均一化が図れるとともに、充実した授業内容の共有化ができるようになります。このようなネットワークカメラおよびNVRの活用で実績を高めることができれば、生徒数の増加にもつなげられます。

もちろん施設内のセキュリティ強化にもなり、生徒の安全を守ることに加えて、生徒の個人情報の漏洩などを防ぐことができます。万が一、トラブルがあった際にも録画した映像データによって、迅速でかつ正確な対応ができます。

NVRを導入する際の注意点

NVRはネットワークカメラの映像を、インターネットを経由して保存および管理する機器です。そのためハッキングなどに遭い、映像データが盗難される可能性もあります。ハッキングを防ぐためにはセキュリティソフトの適切な管理が必要で、セキュリティソフトを最新版に随時更新するなどセキュリティに関する知識も不可欠です。

最近は、セキュリティソフトを自動更新したり、暗号を複雑化させるなど、セキュリティが強化されたNVRも増えています。新規に導入するのであれば、このようなセキュリティ対策にも先進的なNVRを選ぶのがオススメです。