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農業・畑に防犯カメラを導入するメリットと設置のポイントを解説！

防犯効果などさまざまなメリットがある防犯カメラですが、農業でも防犯カメラの導入が注目を集めています。農作物や農機具の窃盗被害のほか、鳥獣被害などが起きてしまうと、経済的なダメージを受けてしまうからです。また最近では、防犯カメラを成長管理などにも用いる農家も増えています。

そこで今回のコラムでは、農業で防犯カメラを導入するメリットについて解説していきます。また、導入する際のポイントも解説していきます。

農業で防犯カメラが必要な理由とは

農作物を生産して販売することで成り立つ農業ですが、収穫間近の農作物が窃盗にあったり、農地が荒らされることは少なくありません。また鳥や野生動物に畑が食い荒らされる鳥獣被害が発生する可能性もあります。

警察庁の資料によると、全国で2020年に起きた農作物や農機具などの盗難被害は、約2800件となっています。農林水産省の資料「農作物の盗難の実態と対応策」では、農作物の盗難被害のうち40％が未解決のままになっているという報告も出ています。

昨今では、このように盗難に遭った農作物が移動販売カーなどで販売されているケースも少なくありません。しかも外国人技能留学生などが窃盗団などと組織的に関わっていることなども報告されています。

月日をかけて育てた農作物が盗まれたり、荒らされたりといった被害に遭うと、経済的なダメージのほかに、精神的なダメージも受けてしまいます。そのため各農家では防犯対策を立てて、犯罪防止策を講じています。中でも効果的な防犯対策として注目を集めているのが防犯カメラです。次の項目では、農業で防犯カメラを導入するメリットについて詳しく解説していきましょう。

農業で防犯カメラを導入するメリット

防犯対策として農家から注目されている防犯カメラですが、導入することで得られる6つのメリットについて見ていきましょう。

盗難などの犯罪を抑止することができる

防犯カメラを設置する第一のメリットは犯罪を抑止することです。防犯カメラが設置されていると、防犯意識が高いと見られ、犯人が犯行を思いとどまることが期待できます。特に窃盗団などによる犯行の場合、下見などが行われ、防犯状況を確認します。その際、防犯カメラが効果的に設置されていると、「この農家は防犯がしっかりしている」と判断され、ターゲットから除外される可能性があります。しかもこのように一度ターゲットから除外されると、その後再びターゲットになることは考えにくく、半永久的に防犯効果を維持できると考えられます。

犯人を特定することができる

防犯意識の高さをアピールしていても、犯罪に遭うこともあります。その場合でも防犯カメラには大きな役割があります。犯行の一部始終が映像データに記録されているため、犯人の姿を確認することができるからです。犯人を特定することができれば、被害を最小限にとどめられる可能性もあります。

また犯行の様子や侵入経路、逃走経路の判別もできます。そのため、再発を防止するための対策も講じやすくなり、防犯効果をさらに高くすることができるのです。

鳥獣被害に対する対策ができる

農作物を狙うのは人間だけではありません。タヌキやイノシシ、クマなどの動物や鳥なども農地に侵入して、農作物を荒らすことがあります。しかし常に監視しておくことは難しく、何らかの対策を立てることが不可欠です。

防犯カメラを設置することで抑止ができるかは不確実なところもありますが、どのような動物が農地を荒らしているのか特定することができます。こうして動物が特定できると、その動物に適した対応策を考えることができます。例えば、クマによる被害であれば周辺地域でクマの駆除をおこなったり、タヌキであればタヌキが近寄らないような工夫をすることができるようになるのです。

無人販売所の窃盗を抑止し、確認もできる

農家では無人販売所を設置し、収穫した農作物を販売しているケースがあります。特に近年は社会的な事情から非接触型の無人販売所が増えています。しかし、こうした無人販売所が盗難のターゲットに狙われたり、料金を払わずに農作物を持っていくような軽犯罪も増えています。

こうした犯罪を抑止するためにも、防犯カメラは役立ちます。また犯罪が起きた際には犯人特定が早期にできるため、再発防止にも一役買うことができます。

事業の拡大につながる

農作物の盗難被害を防ぐには防犯体制を強化することが欠かせません。しかし、地域の人によるパトロールや呼び掛けといったように、代表的な防犯対策にはどうしても人の手が必要になります。また本来の農作業があるため、監視を四六時中続けるわけにもいかないものです。

しかし防犯カメラを設置することで監視の見落としを防ぐこともでき、人の手を煩わせずに防犯体制を強化することができます。そのため本来の農作業に集中できるようになるのです。しかも新しい販路の開拓や農作業の効率化などに時間が費やせるため、事業の拡大につなげることができます。

農作物の成長管理ができる

農作物の成長を24時間365日にわたって監視することはできませんが、防犯カメラを設置することでそれは可能になります。しかも防犯カメラで撮影したデータを解析、精査することで栽培の効率化ができるようになります。

また農作物の成長管理にかかる時間と手間が省略できるようになると、品質改良や接客、販売サービスの確立などに時間をかけることができるようになります。そのため事業の拡大にも期待が持てるのです。

このような防犯カメラの効果に加えて、ロボット技術やICT（情報通信技術）を融合させて行う新しい農業のことをスマート農業と言います。農作物の生産管理や経営管理などがより効率的に行えるようになる一方、省力化や精密化を実現させることができます。そのため人手不足の解消にもつながり、農業従事者の高齢化や後継者不足といった農業における課題にも対応できるようになります。

農業で防犯カメラを設置する際のポイント

農業で防犯カメラを設置するメリットを把握できたところで、防犯カメラを設置する際のポイントを紹介していきます。

防犯カメラの機能を確認しよう

防犯カメラといっても種類が豊富で、搭載されている機能も多彩です。そこで農業で防犯カメラを導入する場合、搭載されていると役に立つ機能について解説していきます。

●暗所撮影機能
農作物が窃盗などの被害に遭うのは、ほとんどが夜間です。農業従事者が農地での作業を終えて帰宅したあとに不審者が侵入するため、夜間でも撮影できる機能が必須です。この暗所撮影機能にはいくつか種類があるため、特徴を理解して選択するようにしましょう。

赤外線カメラ…赤外線を照射して撮影する方式で、モノクロ映像で記録されます。そのため鮮明な映像が必要な場合は、選ばれないことがあります。
高感度カメラ…わずかな光でもカラーで撮影し、記録することができます。そのため夜間でも鮮明な映像を残すことができます。
LEDライトカメラ…LEDライトを照射して撮影する方式です。人感センサーが反応するとLEDライトを照射しますが、光が当たっていない部分の映像は不鮮明になります。

●動体検知機能
不審者などが侵入した場合に、動くものを検知して撮影を行うことができる機能です。画角内で何かが動いたときだけ撮影できるため、録画の容量や電力を無駄にすることがありません。広い敷地を長時間にわたって監視する際は効果的な機能です。

●自動追跡機能
不審者や動物などの対象物が移動しても、カメラの向きを調整して撮影し続ける機能です。そのため犯行だけではなく、侵入経路や逃走経路の特定にも役立ちます。首振り機能がついている機種であれば、より幅広い範囲で追跡することができます。

●セキュリティシステム機能
セキュリティシステム機能とは、不審者の侵入などを感知すると警察や警備会社などに通報する仕組みです。犯行のシーンを撮影するだけではなく、瞬時に通報ができるため、犯人確保などの可能性が高まります。

より防犯を高めたい場合は、カメラから警告音を発したり、録音しておいた警告を告げる音声が流れるシステムが搭載されている機種もおすすめです。

電源供給方法を確認しよう

農業で防犯カメラを導入する際は、主に屋外に設置することになります。そのため防犯カメラを選ぶ際は、どのように電源を供給するのか確認することも重要です。主に、内蔵したバッテリーを充電するバッテリー式、乾電池で稼働する電池式、太陽光で充電する太陽光式といった電源供給方式があります。それぞれに特徴があるので、設置する場所の広さや状況に合わせて選ぶようにしましょう。

防塵・防水性能を確認しよう

屋外に設置する防犯カメラですから、耐久性を確認することも重要です。その目安の一つが防塵・防水性能です。電子機器は「IP規格」が採用されており、パッケージなどに記載されています。しかし、見方がわからないとどのような性能か把握できないため、IP規格についても理解しておきましょう。

IP規格とは防塵・防水性能を表示する方法で、「IP◯△」と表示されます。「◯」が防塵性能で、「△」が防水性能を表しています。防塵性能は0〜6の7段階、防水性能は0〜8の9段階になっており、数字の値が大きいほど性能が優れています。屋外に設置する場合は「IP66」が目安となりますので、「IP66」を基準にして機種を選ぶようにしましょう。