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中古車市場、中古部品市場は活発で高値で売却できることもあり、駐車場では犯罪が多く発生しています。しかも敷地は広いのに、常時管理する人がいないため、駐車場に防犯カメラを導入するケースが増えています。

そこで今回のコラムでは、駐車場での防犯カメラの活用法や、設置することで得られる効果にスポットを当てます。駐車場への防犯カメラ設置を検討されている方は必読です。

駐車場は犯罪やトラブルが発生しやすい場所

車にまつわる犯罪には車上荒らしのほか、車自体を盗んだり、部品を盗んだりといった種類があります。この項目では、どのような犯罪やトラブルがあるのか、紹介していきます。

車上荒らしは年間2万件以上。部品ねらいは75％が駐車場で発生

警察庁の資料「令和３年の 刑法犯に関する統計資料」によると、令和2年に全国で起きた自動車盗は下記のようになっています。

また、車上荒らしは年間2万件以上も発生しています。検挙率は3割程度となっている点も注目です。

このうち駐車場内で発生したのが4,886件、マンションを含む住宅の敷地内で発生したのが7,650件となっており、半数以上が駐車場に停めた際に犯罪に遭っていることがわかります。

さらにナンバープレートやタイヤホイールなどを狙った部品ねらいの犯罪は、下記のようになっています。

この部品ねらいの場合は、駐車場での発生が4,017件、住宅の敷地内で発生したのが5,684件あります。合計で9,701件となり、駐車場内で発生した割合は74.4％で、4件のうち3件は駐車場などで発生していることになります。

また、自動車盗の検挙率は49％、車上荒らしは35.5％、部品ねらいは12.6％となっており、検挙される割合が低いのも、駐車場で起きる犯罪の特徴と言えます。

犯罪以外にも接触事故などのトラブルが多発

前述したような犯罪にはならないものの、駐車場ではトラブルが起きやすいものです。代表的な事例を下記にまとめましたので、参考にしてください。

このようにさまざまな要因でトラブルが発生し、さらに利用者同士が言い争いになったり、ケンカに発展したり、といったことも考えられます。実はアパートなどの共同住宅では、騒音トラブルに次いで2番目に多いのが駐車場でのトラブルなのです。そのため犯罪やトラブルが発生しないように、また発生した際に確認できるように、駐車場に防犯カメラを設置するケースが増えているのです。

駐車場での防犯カメラの活用法と効果

犯罪やトラブルが発生することの多い駐車場では、防犯カメラをどのように活用するといいのでしょうか。この項目では、防犯カメラの活用法とその効果について解説していきます。

犯罪抑止力でセキュリティを強化

駐車場での防犯カメラの活用法としてまず取り上げるのは、犯罪抑止効果を活かすことです。例えば、テレビのニュース番組で犯罪を取り上げる際、犯行に及んでいるシーンが公開されることがあります。つまり犯罪を起こすと、防犯カメラに撮影され、その映像がテレビやインターネットなどで公開されるケースがあるということなのです。

こうした認識は犯罪者も同じで、犯行の瞬間が撮影されると、それが公開され、自分が確保される可能性が高まると認識しています。そのため防犯カメラが設置されている場所では、わざわざ犯罪を起こすことは考えにくいのです。つまり、駐車場に防犯カメラを設置することで、犯罪を抑止することが期待できるのです。

犯行の瞬間が記録されることで犯人を早期に特定

防犯カメラを設置することで得られる効果の一つは、犯罪が起きた際に犯人の特定が早期にできることです。防犯カメラで撮影した映像データには犯行の一部始終が記録されており、犯人の顔や容姿の特徴も明確にわかる可能性があります。また着ている服や靴なども特定しやすくなるため、犯人を絞り込みがさらに容易になります。例えば、駐車場での部品ねらいの犯罪は、検挙率が約12％です。しかし早期に犯人が特定できれば、犯人を確保することができるとともに、盗難品が戻ってくる確率が高くなることにも期待が持てます。

また犯罪だけではなく、当て逃げや物損事故、車両放置、無断駐車、ゴミや不用品の不法投棄、車両のはみ出しなどがあった際も、証拠映像を確認することで該当者の早期特定も可能です。

映像を確認することでトラブルの原因を解明

駐車場内では、利用者同士が言い争うなどのトラブルが起きることがあります。その原因は、接触事故だったり、危険な運転、急な飛び出し、騒音などが考えられます。万が一、駐車場内でこのようなことで利用者同士にトラブルが起きてしまった場合、目撃者がいないことが多く、どちらに非があるなどの判断は難しいものです。しかし、映像データがあることでどちらに責任があるか、明確になる可能性があります。つまり防犯カメラがあることで、トラブルが起きても、大きく発展しないことが期待できるのです。

映像を分析することで再発防止が可能に

駐車場は犯罪やトラブルが発生しやすい場所ですが、防犯カメラの映像を分析することで再発防止策につなげられる可能性もあります。例えば、駐車場の入り口付近で接触事故が多く発生するといったケースでは、車の誘導方法に問題があることが考えられます。どのように接触するケースが多いのか、傾向を探ることで、再発しにくいように改善することもできるのです。

また、同じような場所で車上荒らしや部品ねらいが多発する場合、防犯カメラの死角になっていることが考えられます。そのため設置箇所と設置方向を再度確認し、防犯カメラの位置などを再調整することで再発を防ぐことができるのです。

駐車場に防犯カメラを設置する際に気をつけたいこと

駐車場に防犯カメラを設置する際の活用法や効果について把握できたところで、設置する際に気をつけたいポイントを確認しましょう。

電源の供給方法

防犯カメラは電源によって稼働するため、どのように電源を供給するといいのか考える必要があります。代表的なのはコンセント式と、電池式、充電式、ソーラーパネル式などです。ただし、屋外での設置であればコンセント式は難しいといったように、設置場所によっても最適な方法が異なるため、状況を把握して適切に判断するようにしましょう。

設置場所

電源を供給する方式にも関わりますが、防犯カメラの効果をより発揮するためにも設置場所の選定は重要です。駐車場は死角ができやすいため、複数台が必要なケースもありますし、広い敷地をカバーするためポールを立てて上部に防犯カメラを設置するケースもあります。

しかし予算の関係上、設置台数が限られていることもあります。そのため最適な設置台数と設置場所を考えるようにしましょう。

映像の確認方法

防犯カメラで撮影した映像をどのように確認するのかも、事前に決めておきたいポイントです。防犯カメラで撮影した映像は、SDカードやクラウド、一元管理方式などさまざまな方法で確認ができます。

設置台数が多くなると一元管理方式が最適ですが、その場合は事務所などにモニタリング用の機材を導入する必要があります。常時監視する人材も必要になり、人件費がかかるといった問題点も出てきます。この点も駐車場に防犯カメラを導入する際に、注意したいポイントです。

耐久性

駐車場は屋外にあるケースがあり、そのため耐久性に優れた機種を選ぶ必要があります。耐久性といってもいくつか要素があり、まず考えたいのが防塵・防水性能です。防犯カメラは電子機器のため、ほとんどのメーカーで「IP規格」を採用しています。「IP◯△」と表示されており、「◯」が防塵性能で0〜6の7段階、「△」が防水性能で0〜8の9段階になっています。数字の値が大きいほど性能が優れており、屋外での設置は「IP66」が目安となります。

また、サージ対策もポイントです。サージとは急に高電圧が流れることで、屋外に設置する場合は主に雷サージ対策が必要と考えられます。落雷によって過電圧や過電流が起きると内部回路やケーブルが損傷してしまうため、避雷器などが施されている機種を選ぶようにしましょう。

最後に確認したいのが耐衝撃性能です。犯罪を起こす前に石などをぶつけ、防犯カメラを壊そうとする犯罪者もいるからです。対衝撃性能は「IK00」から「IK10」といった表示方法が用いられており、数値が高いものほど耐衝撃性能が優れています。

機能

防犯カメラには多彩な機能が用意されており、必要な機能が搭載されている機種を選ぶことが肝心です。代表的なのが下記のような機能です。

また幅広い範囲が撮影できるように広角レンズを採用している機種、夜間の犯罪抑止のために人感センサーライト付きの機種なども必要に応じて選ぶといいでしょう。

駐車場での犯罪は検挙率が低いため、防犯カメラで抑止を

駐車場では犯罪やトラブルが発生しやすく、しかも検挙率が低いことも紹介しました。犯人が確保されにくいということは、盗難されたものが戻ってくる割合も低いということです。しかし、防犯カメラを設置することで犯罪を抑止できるだけではなく、犯人の早期特定の可能性が高まります。また再発を防止するために活用することもできます。

駐車場のセキュリティが高まれば、利用者にも安心して使ってもらうことができます。ぜひ駐車場への防犯カメラの設置をご検討ください。